どうでもいいことが気になって眠れない vol.6
カラスが、カラムーチョを食べていた。

カラムーチョ。あの辛いポテトチップスだ。
それを、カラスが。
それ、辛くないの?
私は辛いものが苦手だ。
カラスのおやつを見て、まさか辛さの心配をすることになるとは。
こちらは、そのとき撮った動画。
映っているのは袋をつつくところだけだけど、この後しっかり召し上がってた。
動画には映っていないけれど、食べるところまで目撃した。
鳥は、辛さを我慢しているわけではないらしい
調べてみると、鳥は人間などの哺乳類に比べて、
唐辛子の辛い成分「カプサイシン」に反応しにくいという。[1]
ここで、そもそも「辛い」って何なのか。
甘い、しょっぱい……と同じように「味」の仲間に見える。
けれど、唐辛子の辛さは実は痛みや熱に関わる刺激だ。
口の中には、熱や刺激を感じ取る仕組みがある。カプサイシンはそこを刺激する。
だから、熱々ではない食べ物でも「口の中が熱い!」「ヒリヒリする!」となる。
ところが鳥では、その仕組みが人間たちと少し違う。
同じ成分が触れても、同じように「辛い!」とはならないらしい。
つまり、カラスがカラムーチョを食べていても、
「辛い……でも、うまい……!」と耐えているとは限らない。
人間だけが横から「それ辛いよ! 大丈夫!?」と騒いでいた可能性がある。
余計なお世話だった。
※ニワトリとラットの体の仕組みを比べた研究などに基づく話。
どの鳥も一切刺激を感じない、という意味ではない。
このカラスが実際に何を感じたかまでは分からない。
カラスには、どんな味なんだろう
辛さへの反応が違うなら、カラスにとってのカラムーチョは、
人間が食べるときとはずいぶん印象が違うのかもしれない。
じゃあ、何がおいしくて食べていたんだろう。
ポテト? 味付け?
そもそも、おいしいと思っていたのか?
食べるところは見た。
でも、味の感想までは聞けていない。
そこを本人に確認できないのが、鳥の食レポの難しいところだ。
カラムーチョを食べていたからといって、
辛さを我慢していたとは限らない。
人間の感覚を、そのままカラスに当てはめてはいけないらしい。
……では、お前はなんだ
ところが、調べるうちにこんな商品も見つけた。
「カプサイシン入りカラスよけネット」。[2]
……お前はなんだ。
今、鳥はその辛い成分に反応しにくいって話をしたところなんだけど。
話がまとまりかけたところに、ネットが来た。
メーカーの説明をざっくり言うと、
ゴミを網で守りつつ、口にしたときの刺激で「もうやめとこう」と思わせたいらしい。
ただ、カラスにその成分がどのくらい効くのかは、
今回確認した資料では分からなかった。
効かないと決めつけることもできないので、こちらの謎は持ち越し。
カラスのおやつを心配していたはずが、
最後にゴミネットの前で立ち止まっている。
とりあえず、私はすっぱムーチョ
鳥の感じ方にも、ネットの秘密にも、まだ分からないことがある。
ただ、私は辛いものが苦手だ。それだけは確かだ。
なので、おやつにはすっぱムーチョのさっぱりビネガー味をおすすめしたい。
カラスの好みは分からないけれど、私はこっち。
謎は残った。おやつは決まった。
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紹介しているのは人間用のお菓子。野鳥への餌やりをすすめるものではない。
参考資料
[1] Jordt & Julius(2002)Molecular Basis for Species-Specific Sensitivity to “Hot” Chili Peppers(Cell)。
専門的には、熱や刺激を感知する受容体「TRPV1」の性質をニワトリとラットで比較した研究。
カラスでの直接の検証ではない。
[2] クラーク株式会社 BOX型カラスよけネット(カプサイシン入)。
製品の存在・用途・事業者による仕組みの説明を参照。
成分だけの効果を確認した実験資料としては扱っていない。
資料確認日:2026年10月27日。

