猫の鼻腔リンパ腫|エンドキサン開始後に見えた大きな変化【ジジの闘病記③】

舌を少し出した黒猫ジジ。鼻腔リンパ腫の闘病記③のアイキャッチ 猫との暮らし
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前回の記事では、鼻腔リンパ腫と診断されたジジが、
抗がん剤であるL-アスパラギナーゼとパラディアで治療を受けながら、
排尿障害や後ろ足の不調にも向き合った時期を書きました。

4月上旬には食欲も元気も落ち、どんどん痩せていくジジ・・・。

新しい抗がん剤は体力的に耐えられない可能性があるということで
まずはステロイドを使い、ジジの全身状態が戻るかを見ることに。

幸い、ステロイドを始めると少しずつ活動性が戻り、
自分から水を飲んだり、少しずつ食べようとしたりするようになりました。

そして2026年4月14日。
ジジは、次の抗がん剤「エンドキサン」に挑戦することになりました。

この薬が、ジジにはとてもよく効きました。

しかし、強い副作用が心配なのも抗がん剤です。
先生から説明を受けた副作用に注意しながら、
飲水量や排尿、体調を毎日見守りました。

今回は、そんな毎日のお話です。

4月14日|新しい抗がん剤「エンドキサン」を始める

4月14日、エンドキサンによる治療を始めることになりました。

この頃のジジは、呼吸もかなり苦しそうでした。
日中、ステロイドが効いている時間は少し活動性が戻るものの、
夜になるとまた苦しそうになる。

そのまま眠りにつくことも出来ず、酸素が足りず瞳孔も開き、
不安なのか、ずっと私を見つめながらお腹で息をしていました。

それでも日中にできるだけカロリーを取ってもらうように試行錯誤。
てんかんの薬を飲んだ後にぼーっとして寝てしまうことが多かったので、
ステロイドが効く時間や起きている時間を計算して、少しでも食べてくれるタイミングを探しました。

一日の必要量には到底届かないので、
APPEという栄養剤のようなものを少し補助的にあげたりもしていました。

少しずつ体力は回復。動く時間や、減った体重もほんの少しだけ増加。
でも確実にジジを蝕む病変は目に見えて大きくなっているのがわかりました。

まだ体力が安心できるほど回復したわけじゃない。

でも、このままじゃきっともう1週間も持たないんじゃないか・・・

そんな中での、エンドキサン投与の決断でした。

新しい薬が効いてくれるのか。
それ以前に、少し持ち直したこの状態で治療を続ける体力があるのか。
辛い思いをさせるくらいならいっそ緩和ケアに移ったほうがいいのか。
このまま治療を続けていいのか。

期待よりも不安の方が大きかったことを覚えています。

エンドキサンは自宅で投薬する薬でした。

取り扱う際には手袋を使うこと、
薬に直接触れないこと、マスクをすること、
投薬後の一定期間は排泄物の取り扱いにも注意することなど、
曝露を避けるための説明を受けました。

今までの薬とは違うという怖さを感じた薬でもありました。

副作用の血尿

治療を始めるとき、先生から注意するように言われた副作用の一つが、
血尿でした。

エンドキサンの投薬2日目に、血尿が出ました。
不安そうに何度もトイレに行き、多い時は1時間に10回近く。
それでもほとんど量は出ずに、にゃ、にゃ、と訴えかけるように私を見て鳴くジジ。
見守ることしかできない。

何度目かのトイレチャレンジで、膀胱組織のようなものが出ていました。
念のため写真を撮って動物病院へ行くと、
先生からは「膀胱の組織でしょう」と、エンドキサンの副作用によるものだと説明を受けました。
それが出てからは、何度もトイレに行く症状も比較的落ち着いていきました。
血尿が出たのは投薬2日目だけで、先生からも副作用としては軽度との説明がありました。
あのときの姿はつらそうでしたが、その後は比較的落ち着いて過ごせました。

水分をどれくらい飲ませればいい?

先生からは「水をいっぱい飲ませてください」と言われました。
でも、いっぱいって、どのくらい……?
具体的な量までは聞けておらず、自宅でどれくらい飲ませればいいのか迷いました。

そこで当時は、ジジの体重などをもとに、1日に必要な水分量の目安をChatGPTで調べました。
念のためGeminiでも調べ、出てきた量を参考にしていました。
これは獣医師から具体的に指示された量ではなく、私が目安を知りたくて調べたものです。

この頃から、水分をシリンジでもあげるようになりました。
抱っこして膝に乗せ、口の脇の歯の隙間からゆっくり、様子を確認しながら。
ジジが少しでも嫌がるそぶりを見せたら、すぐに中止していました。

水を飲めているか。おしっこは出ているか。色や回数はどうか。
元気や食欲に変化はないか。
まずは一週間、気になる変化を先生に伝えながら見守りました。

薬が効いている嬉しさと、次の投薬でも同じように過ごせるだろうかという怖さ。その両方がありました。

4月16日〜|目で見ても分かるほどリンパ節が小さくなった

驚いたのは、エンドキサンを始めてからの変化の早さでした。

4月16日頃には、私が見ても分かるほど頸部リンパ節が小さくなっていました。

呼吸も、それまでより自然にできるようになりました。
開きっぱなしのように見えていた瞳孔も落ち着いてきました。

そして4月17日。ジジが、おもちゃで遊びました。

4月17日。おもちゃに反応して遊ぶジジ。

頸部リンパ節が縮小し、呼吸も改善していたため、
鼻腔の病変も小さくなっていると思いますとお医者さんからもお話がありました。

効いてくれた・・・!

もちろん、この時点で病気がなくなったわけではありません。

それでも、ほんの数日前まで呼吸する姿を見るだけでも心配だったジジが、自分からおもちゃに反応している。

もうダメかもしれないと弱気になってしまうこともあった時期。
藁にもすがる思いだった私にとっては、
ジジがおもちゃに反応してくれたことが腫瘍の大きさ以上に大きな変化でした。

「もしかしたら、寛解を目指せるのかもしれない」

4月20日の診察では、頸部リンパ節がさらに小さくなっていることが確認されました。

投薬から6日が経過していましたが、発熱もなく、副作用も軽度。
水分状態にも問題がなかったため、この日は点滴をせずに帰宅しています。

そして翌日から、2回目のエンドキサンを始めることになりました。

少し前には、この先どれくらい一緒にいられるのかを考えていました。
それが、この頃には「もしかしたら寛解を目指せるのでは」と思うようになっていました。

あの期待がどこまで現実的だったかは、今も分かりません。
先生には期待しないようにと言われていた。
きっと期待せずにはいられない気持ちが大きかったのでしょう。
でも、当時の私はまだもう少しジジと一緒に過ごせるかもしれないと、そう思っていました。

後ろ足も、少しずつ動くようになった

エンドキサン治療を始めた頃、後ろ足にも少しずつ変化が出てきました。

少しずつ転びながらも頑張って前に進むジジ。
かっこよくて自慢の愛猫です。

この頃は抗がん剤やステロイドによる治療だけでなく、
通院ではカリウムを含む点滴を受けることがあり、
自宅でも後ろ足のマッサージを続けていました。

カリウムが減ると後ろ足の虚脱が起こることがあるらしく、ジジは初めの血液検査でもカリウムが減少していました。
てんかん発作による後遺症、病変が神経を圧迫しているなどの色々な原因が考えられるため、エンドキサンが効いたから治った、と断定できるわけではありません。

ですが、4月24日頃には、約1mを転ばずに歩けるようになりました。

少し前まで後ろ足を引きずり、トイレまで間に合わないこともあったジジ。
だから、たった1mでも嬉しかった。

歩けるようになってきた頃、ベランダをゆっくり歩くジジです。
後ろ足はまだ動かしづらそうでした。

ベランダもゆっくり歩けるようになりました。

どの治療やケアが後ろ足の改善にどれだけ関わったかは分かりません。

それでも、また自分の足で歩くジジを見られたことが嬉しかったです。

ほとんど触れないほど小さくなった頸部リンパ節

4月24日の診察では、
頸部リンパ節は「ほとんど触れない」と言われるほど小さくなっていました。

エンドキサンの副作用も大きくは出ず、治療そのものは順調でした。

一方で、食事量は十分ではありませんでした。
腫瘍が小さくなったからといって、すべてが元通りになったわけではありません。

体重が減っていくジジ。1日の必要量の4分の1くらいしか食べてくれない。

体力を戻すことを優先し、4月28日には予定していた次のエンドキサン投与を延期しました。

すると4月30日頃、私は頸部リンパ節が再び大きくなっているように感じました。

よく効いている。それでも病気が消えたわけではない。
エンドキサンが効いている間だけ、リンパ節が小さくなっているように見えました。
期待と不安が、いつも隣り合わせでした。

迎えられないと思っていた、16歳の誕生日

2026年5月4日。ジジは16歳になりました。

少し前には呼吸が苦しく、横になってもなかなか寝付けない日があったジジ。
食事を終えてお腹がいっぱいになると、
触っても起きないほど安心して眠る姿も見られるようになりました。

呼吸が苦しく、なかなか寝付けなかった頃
毛布に顔を寄せ、食事のあと安心して眠るジジ
お口にご飯がついたまま触っても起きないほどぐっすりなジジ。

迎えられないと思っていた誕生日。
特別な日。生まれてきてくれてありがとう。

手のひらで包めるほど小さかったジジが、すっかりおじいちゃんになった。

16年間一緒にいたのに、この頃は一日、一週間、一か月先がとても遠く感じました。
今思うと、あそこでステロイドやエンドキサンが効かなかったり、
副作用が強かったら・・・きっとジジは16歳になれなかったんじゃないかと思います。

誕生日を迎えられたことが嬉しい。でも、迎えられると今度は、

このまま、来月も再来月も
来年の誕生日だって一緒にいれたらいいのにと欲張ってしまう気持ちが出てくる。

でもそれはきっとジジにとって良いことじゃないかもしれない。
今をひたすら大切にしよう。

だって、今は16歳になったジジと一緒にいられる。
それだけで嬉しい誕生日でした。

寝顔を眺めながら、嬉しさと未来への恐怖で複雑な気持ちで涙を流したのを覚えています。

シリンジで食べさせてもらう方が、楽だったのかな

5月になると、自分から食べる量はさらに少なくなっていました。

3月頃には、食べられるものを組み合わせて1日の給餌プランを作っていましたが、その頃に食べていたものも5月にはほとんど食べなくなっていました。

そこで、食事はシリンジ給餌が中心になりました。
使ったシリンジやフードは、介護用品の記事にまとめています。

ただ、不思議なことにジジはシリンジ給餌をそれほど嫌がりませんでした。
猫ってもっと全力で拒否するイメージでした。
以前、保護して数ヶ月闘病してた、ジジより甘えんぼな子猫がいましたが、その子は拒否が激しかったな・・・

いつもの給餌場所まで自分で移動してきたり、

膝に乗せると私を見上げながら口元をぺろぺろ。
まだご飯あげてないのに。可愛い。

おくるみに包まなくても脱力したまま食べさせることができました。
(薬はおくるみ必須でしたが、それでも協力的でした)

口の端についたご飯を、美味しそうに舐めることもありました。
そして、給餌が終わるとスッと自分で膝から降りる。

足りない栄養はシリンジで。協力して食べてくれました。

当時の私は、「あなた、自分で食べられるんじゃないの……?」と思うこともありました。
基本はシリンジじゃないと量は食べてくれないのですが、
お皿を鼻先まで近づけると、食べてくれることもありました。

自分から食べ始めることは少なくても、お皿を近づけると食べてくれました。

だから私は、体調が万全ではない中で、
自分で食べるより私に食べさせてもらう方が楽だったのかな、と思っていました。

安心して身を任せてくれる。

だから、大変な毎日の中でもジジの性格に助けられて、
愛おしさに笑顔にさせてもらえることもありました。

また、シリンジ給餌が中心になったからといって、この時期ずっと具合が悪かったわけでもありませんでした。
むしろ5月に入ってから、体調は比較的安定していきました。

遊ぶ、歩く、走る。ジジの日常が戻ってきた

5月に入る頃には、立っていられる時間が長くなり、歩ける距離も伸びていました。
いつも私のすぐ隣で苦しそうに寝ていたジジが、隣の部屋へ日向ぼっこに出かけるように。

嬉しい。ジジが気持ちよさそうに日向でうとうとしてる。

少し足を引きずりながら、おもちゃを追いかけて走る姿まで見られるようになりました。
その後は、足を引きずる様子もさらに少なくなっていきました。

5月の写真を見返すと、そんなジジらしい日常がたくさん残っています。

ベロをしまい忘れてるのにキリッとした顔をしていたり。
ビニール袋をどこからか持ってきて遊んでいたり。
寝てる私の顔におもちゃを落として遊びに誘ったり。
ゴロゴロと甘えてきたり。
私の腕枕で安心した顔で眠っていたり。

本当に愛おしくて、夢のような毎日。

5月13日には、4回目のエンドキサン投与開始。

治療は続いていました。
毎日の薬も、シリンジ給餌もありました。
体重も落ちていて、健康だった頃のジジに戻ったわけではありません。

それでも、遊ぶ。歩く。甘える。眠る。

そんな普通の日々が、もう一度戻ってきました。
私も、心配やジジのトイレ・給水のために2時間おきに起きていましたが、
少し安心して、4時間は続けて眠れるようになりました。

病気と一緒に過ごした、穏やかな時間

病気が治ったわけではありません。
それでも、ジジが気持ちよさそうに眠り、遊びに誘ってくれる。
そんな日常を、もう一度一緒に過ごせました。

迎えられないと思っていた16歳の誕生日も、その日々の中にありました。
先のことは分からなくても、今、目の前にいるジジとの時間を大切にしたい。
4月下旬からしばらくは、そんな比較的穏やかな日々が続きました。

次回は、治療とシリンジ給餌を続けながら過ごした6月から7月中旬までの日々を書きます。

※ここに書いているのは、ジジが実際に受けた治療とその経過です。
抗がん剤の効果や副作用は猫によって異なります。
投薬方法や家庭での取り扱い、副作用への対応については、必ず治療を受けている動物病院の指示に従ってください。

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