猫の鼻腔リンパ腫|最初のくしゃみから発覚するまで【ジジの闘病記①】

黒猫ジジと「猫の鼻腔リンパ腫 最初のくしゃみから発覚するまで」の文字を配したアイキャッチ 猫との暮らし
この記事は約10分で読めます。

愛猫のジジに最初の異変があったのは、鼻腔リンパ腫が見つかる約4か月前。

始まりは、たまにする「くしゃみ」でした。

その後、鼻水が出るようになり、薬を使ってもなかなか治らなくなっていきます。
それでも当時は、まさか癌だとは思っていませんでした。

病院へ通いながら治療を続けていた2026年3月。
ジジに突然、初めてのけいれん発作が起こります。

その発作をきっかけにMRI検査を受け、先生から「鼻腔リンパ腫です」と説明を受けました。

この記事では、ジジに最初の鼻症状が出た2025年11月頃から、
MRI検査で「リンパ腫です」と説明を受けるまでの経過を記録します。

この記事は、ジジ個体の実際の闘病記録です。
同じ症状があっても、原因や必要な検査・治療は猫によって異なります。
愛猫の症状については、かかりつけの獣医師へ相談してください。

ジジの症状と受診の経過

  • 2025年11月:時々くしゃみをするようになり、動物病院を受診。抗生物質を処方されるも食欲が落ち、別の病院でセカンドオピニオンを受けました。
  • 2025年12月末:くしゃみと鼻水が再発。再び受診し、点鼻薬などで治療を開始。その後は週に1回ほど通院しました。
  • 2026年2月頃:鼻水に粘り気が出て、呼吸もしづらそうに。リンパ節の腫れもあり、薬を変えながら治療を続けました。
  • 2026年3月7日:深夜に初めてのけいれん発作。救急動物病院を受診し、がんの可能性と二次診療について説明を受けました。
  • 2026年3月8日:専門機関でMRI検査を受け、先生から「リンパ腫です」と説明を受けました。
介護中に穏やかな表情でこちらを見る黒猫のジジ
闘病中も、穏やかな表情を見せてくれたジジ

2025年11月|始まりは、たまにするくしゃみ

最初に気になったのは、ジジがたまにくしゃみをするようになったことでした。

病院を受診すると、抗生物質の処方。

薬を飲ませると鼻の症状はいったん落ち着いたものの、今度はご飯を食べなくなりました。

それまで食べていたジジが、まともにご飯を食べてくれない。
お水も飲んでくれない。ぐったりして動かない。

獣医さんは「猫は一週間くらい食べなくても大丈夫」と言い、
弱っていくジジとは対照的に、軽い調子で話す先生に沸々と芽生える不信感。
そんな状態が1週間ほど続きました。

治療に対する不安や獣医師への不信感もあり、
別の病院でセカンドオピニオンを受けることにしました。

転院先で治療を受けると、ジジの食欲は回復。
鼻水も落ち着いていたため、いったん治療は終了。

治ったと思った。もう大丈夫だって。

まさか、この鼻の症状が数か月後の大きな病気につながっているとは・・・
当時の私はそんなこと、思いもしませんでした。

2025年12月末|また、くしゃみと鼻水が出始める

12月末。またジジがくしゃみをするようになり、少し鼻水も出るようになりました。

病院を受診して、抗生物質やステロイドなどが入った点鼻薬の処方。

ところが、なかなか良くなりません。

その後は週に1回ほど病院へ通うようになりました。

先生からは「慢性的なものかもしれない」という話もあり、
点鼻薬などを使いながら治療を続けることになります。

いろいろな薬を試しました。
それでも、鼻の症状はすっきりとは治りませんでした。

2026年2月頃|鼻水の様子が変わってきた

2月頃になると、それまでとは少し様子が変わってきました。

鼻水に粘り気が出てきて、ジジも少し呼吸がしづらそうに見える。
2月の下旬にはリンパ節も少しずつ腫れてきた。

それでも、この時点で病院からがんの可能性について特に話があったわけではなく、点鼻薬などでの治療が続きました。
頸部リンパ節の腫れについても、獣医師からは「炎症かな」という話がありました。

薬を変えてみても、なかなか効かない。
むしろ、少しずつ悪くなっているように見える。

私はだんだん、
「これ、本当に慢性鼻炎や副鼻腔炎なのかな?」と不安を感じるようになっていました。

ただ、この時点でも「鼻腔リンパ腫」という病気にはたどり着いていませんでした。

鼻水の症状が続いていた頃の黒猫のジジ
鼻水の症状が続いていた頃のジジ

2026年3月7日|突然、ジジがけいれんした

忘れもしない。3月7日土曜日、深夜0:09。

この日のジジは、直前までいつもと大きく変わりませんでした。
ものすごく甘えんぼ。今にして思うとそれだけが異変でした。

頭をぐりぐり押し付けて、甘えた声で鳴いていました。
でも、そこまで気にも留めず。

「どちたのー?」なんて笑いながら、ソファでジジに腕枕をして、可愛い頭をなでなでしていました。

少しいつもより激しく甘えてくること以外は、いつも通り。
(後から調べたら、てんかん発作前には飼い主への執着などが見られる場合もあるそうです)

落ち着いたなぁと思った、その直後。
突然、ジジが変な動きをしました。

けいれんでした。

頭を起点に回転するように身体が動き、お腹を上に向けた状態で全身が激しくけいれんしました。
手足は硬直したように固まっていました。

鼻血なのか、どこかをぶつけたのか、口の中からなのか。
血も出ていました。後からソファを見ると、血の跡。

私は完全にパニックでした。

「どうしよう、ジジ、どうしよう」

泣きながら、スマートフォンで動画を撮りました。
私には発作についての知識がなかったからです。
異常があって原因が分からない時は、動画を撮っておくと何かで読んだ気がして。

何が起きているのか分からない。
動かしていいかもわからない。
だから、とにかく記録しておかなければと思いました。

「死んじゃうかも」
そんなことまで頭をよぎる。

ものすごく長く感じた発作でした。
後から確認すると、激しい発作そのものは1分程度だったようです。

発作後、急いで救急動物病院へ

発作が落ち着いたジジは、舌を出して、荒い呼吸で放心状態。
舌には血がついていて、どうやら口の中も切ってしまったようでした。

まだジジの異変への恐怖はありましたが、生きていることに少し安堵し、
急いで近くの救急動物病院を調べました。

とはいえパニックになっていた私は、行こうと思っていた場所とは違う病院へ電話。
こういう時に備えて、救急病院を確認しておけばよかった。

それでも診てもらえることになり、ジジをキャリーに入れてタクシーで病院へ向かいました。
病院までは約30分。

「ジジが死んだらどうしよう。」
ずっと、そればかりを考えていました。

病院に到着してキャリーを開けると、ジジは少し疲れている顔はしているものの、
意外にもいつものジジに近い様子。
タクシーではジジの様子がわからなかったので、少しホッとしました。

検査のためにジジを預け、レントゲンや血液検査など。

そこで初めて、がんの可能性があること、二次診療を検討した方がいいことを説明されました。

発作を抑えるための処置をしてもらい、また長い発作が起きた場合に使う座薬も処方されました。

ジジに再び会えたのは、深夜3時を回った頃でした。

帰宅しても終わらなかった発作

ようやく家に帰ってきて、少し安心したのも束の間でした。

午前6時19分。ジジに再び発作が起こりました。

最初の発作ほど激しいものではありません。
しかし、この日から小さな発作が頻繁に起こるようになりました。

後に「焦点発作」と説明を受けました。

左側へクルクルと旋回し、ある程度までいくと、ハッとしたように意識が戻る。
そのあと、不安そうに鳴きながらソワソワとその場を歩き回る。

もう少し強い発作になると、首を左へ旋回させ、足をシャカシャカと走るように動かしていました。
発作が終わったあと、急に走り出すこともありました。

共通して、発作の直前には急に落ち着かない様子が見られました。
ジジ自身も、発作前の違和感を感じ取っていたのかもしれない。

約20〜40分おき。何度も何度も繰り返しました。

私は発作のたびに動画を撮り、時間を計り、頭をぶつけないようにジジを守る。
発作が2分以上続いたら坐薬を使うよう獣医師に言われていたため、いつでも使えるように寝ずに見守る。

苦しんでるジジを前にして、私にはそれくらいしか出来なかった。

後から数えると、初めての発作から24時間経過までに24回の発作がありました。
この状態が、3日後の朝まで続くのです。

2026年3月8日のジジの発作時刻・持続時間・間隔を記録した表
2026年3月8日、MRI検査当日の発作記録の一部。検査に向かう直前まで、発作の時刻・持続時間・間隔を記録していました。

MRI検査を受けることが決まった

朝9時、かかりつけの病院を受診しました。
そこで勧められたのが、MRI検査。

実はMRIという言葉を聞いたのは、このときが初めてではありませんでした。

前年11月に受診した病院でも、MRI検査を勧められていたのです。

でもそのときは、処方された抗生物質を飲んだあとにジジの体調が悪くなり、1週間ほどまともにご飯を食べられなくなりました。

獣医師への不信感もあって病院を変え、その後ジジの食欲も鼻の症状も落ち着いたため、
獣医師へ相談の上、高齢猫の全身麻酔リスクも考えてMRI検査は受けませんでした。

このとき私は、「あのときMRIを撮っていればもっと早く分かったんじゃないか」
「私が勝手に不審がって病院を変えたりしたから発覚が遅れたんじゃないか」
そんなことばかりを考えていました。

あのときMRIを受けていたら、その後がどう変わっていたのか。
それは一生分かりません。
きっと私の中で一生、後悔として残るのだと思います。

2026年3月8日|MRI検査へ

翌3月8日。
ジジは、専門機関でMRI検査を受けることになりました。

検査は全身麻酔。
15歳9か月だったジジに全身麻酔をかけることも怖くて、検査が終わるまで気が気ではありません。
そのまま目覚めない子だっているのです。

13時頃にジジを預け、血液検査、全身麻酔、MRI検査。
検査後はICUで経過観察になると言われました。

15時40分頃、先生が待合室まで来てくれました。

「思ったより麻酔から醒めるのが早かったので、ICUで休んでいます」

それを聞いて、まずは無事に目覚めてくれたことにほっとしました。

MRIで見つかった、鼻腔の大きな病変

MRI検査では、左右の鼻腔全域から鼻咽頭にかけて病変が確認されました。

病変は嗅球付近まで達し、左右の眼窩領域にも伸びていました。

さらに左下顎リンパ節は、約34.9×27.1×21.0mmまで大きく腫れていました。

MRIの画像所見には、「リンパ腫が第一に疑われる」と記載されていました。
先生からも、この時点で「鼻腔リンパ腫です」と説明を受けました。

頸部リンパ節についても、「転移でしょう」と言われました。

一方で、脳実質には腫瘍や炎症、梗塞などを疑う明らかな所見はありませんでした。

数か月続いていた、くしゃみと鼻水。
薬を使っても治らなくなった鼻症状。
粘り気を増した鼻水。
呼吸のしづらそうな様子。
リンパ節の腫れ。
そして突然起きた発作。

バラバラだったものが、このMRI検査で初めて一本につながりました。

私を気遣うように、穏やかな笑顔で話す先生。
でもはっきり告げられたあの瞬間が忘れられない。

「鼻腔リンパ腫です。」

この日から、ジジとの本格的な闘病が始まりました。

振り返って|「ただのくしゃみ」だったわけではなかった

ジジの最初の症状は、とてもありふれたものでした。

たまにする、くしゃみ。鼻水。

それだけで「癌かもしれない」と考える人は、そう多くないと思います。

実際、ジジも最初は抗生物質で鼻症状が落ち着いた時期がありました。
その後も慢性的な鼻の症状として治療を続けていました。

だから今振り返れば気になることはいくつもあっても、
当時の私には、数か月後に鼻腔リンパ腫が見つかる未来なんて分かりませんでした。

それでも、ジジの記録を残しておこうと思います。

猫のくしゃみや鼻水には、さまざまな原因があります。
ジジと同じ症状だからといって、同じ病気とは限りません。

ただジジの場合は、
治療をしても鼻症状がなかなか改善しないこと、
鼻水の状態が変化してきたこと、
呼吸がしづらそうになったこと、
リンパ節が腫れていたこと。

そうした変化の先に、鼻腔リンパ腫がありました。

猫の鼻腔リンパ腫について報告した獣医学論文でも、
慢性的な鼻水、くしゃみ、鼻から聞こえる呼吸音などが主な症状として挙げられています。
ただし、これらは鼻腔リンパ腫だけに見られる症状ではありません。

もし今、愛猫の鼻の症状がなかなか治らず、「本当にこれで大丈夫なのかな」と不安になっている方がいたら。

ジジに実際に起きた経過が、ひとつの記録として何かの役に立てばと思います。

そしてこれは、誰かのためだけではなく

私自身にとっても、ジジと過ごした最期の日々を忘れないための、大切な記録です。

元気な頃に足を上げてくつろぐ黒猫のジジ
元気だった頃の、のびのびとくつろぐジジ

次回は、MRI検査後に治療方針を決め、実際に治療を始めるまでのことを書こうと思います。

闘病・介護で実際に使ったもの

ジジの闘病と自宅介護で、実際に使って助かった用品も別の記事にまとめています。

猫の闘病・介護で「あって助かったもの」|愛猫を4か月半介護して本当に使った用品

参考資料

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